梅﨑和子の食育講座 Vol.15〜

食育講座コラム

これからもいんやん倶楽部は「養生家庭料理」を

昨年、50代からの暮らしの応援雑誌『いきいき』において、「陰陽調和料理の重ね煮」が紹介され、大きな反響がありました。9、10月には、東京・大阪の料理教室において各地から250名の参加がありました。さっそく本を読んでつくられた方もあり、その熱意に圧倒される思いでした。「元気に生き、楽しみたい」という願いは、いんやん倶楽部会員の方も『いきいき』読者の方も世代を超えた共通の願いであると実感しました。今年は3月から東京と大阪で再び教室が開かれます。私も2月に還暦を迎えました。先輩世代の積極的な生き方を学びたいと思います。

自宅を開放して始めた料理教室は30年を過ぎました。病院栄養士となり、栄養学に疑問を持ち、20代で「玄米正食」を学びました。私が学んだものは男性主導的な陰陽論が多く、陽性を良しとする風潮で、食養料理にも油、根菜、塩の多様と長時間加熱が一般的で「調和」とかけ離れていました。それに気づかされたのが長男のアトピーでした。

私たちは食べることで健康にも病気にもなります。それほど食べることは大切であり、その中心は毎日の家庭料理です。不景気とともに、一般家庭では「中食」が増えているといいます。惣菜を購入したり、調理済み食品を用いて家庭内で食事を行うことで、核家族化、個食化、家庭での料理の簡便化などの普及とともに、外食ほど経費もかからないことから平成15年には外食産業の1/4規模にまで達しているということです。

そんな時代ではありますが、家庭料理は家庭の健康を支えるものであり、毎日の食事はいのちの基となる大切なものです。私は家庭を持ち、子育てを通してこの事を痛感しました。そこで、恩師である小川法慶先生ご夫妻から学んだ陰陽調和の積み重ねをベースに、子育てをする女性の視点でシンプルに合理的に旬の食材を生かし、変化に富み、飽きのこない料理、食物の生命力が調和する料理、女性が子育てをしながら毎日楽しく、無理なく自然体で続けられる方法をこの20年間模索してきました。身体の声に素直に気づき、あまり特殊な食事内容で、社会生活に造反するような垣根をつくっていたのではストレスになります。特別な食事で、特別な人になる必要はありません。日々穏やかに健康に暮らすことが大切ではないでしょうか。

ちょっと体調が悪ければ、まず台所にあるもので手当てしたり、養生するという日本では、家庭料理におかゆと梅干のように家族をいたわる思いが組み込まれています。それは江戸時代から母から子へと体験を通して地道に伝承されてきた、日本人の養生食です。

いんやん倶楽部はこのような継承を大切にし、時代のニーズに応えていきたいと思います。食べ方の基本は身土不二のものを大切にし、全体食で旬の食材を丸ごといただく陰陽調和の重ね煮と蒸し煮を中心にし、形式ばらず楽しくおいしく自然の恵みをいただくことです。

身体からのSOSが聞こえたら、葛湯など台所で養生できればそれが一番。食事も養生も家庭を中心に「調和」のある生き方、自分の力で対応できる能力を身につけていただけたらと思います。

これからもいんやん倶楽部は「養生家庭料理」という誰にもわかりやすく、イメージしやすい教室表現でアピールしていきたいと思います。

2011年発行 いんやん倶楽部通信より

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