梅﨑和子の食育講座 Vol.18〜「身体を正しく使う」

食育講座コラム

身体を正しく使う

子どもの頃より虚弱な私は歯も弱く、臼歯は全面的に治療を要してきましたが、加齢とともに限界を感じていたところ、友人から歯科医の柳本先生を紹介していただきました。先生は単に歯だけを診るのではなく、口腔(歯)は全身とつながり、歯は心ともつながりがあると見る「ホロン治療」をされています。患者自身の「治る力」を向上させるために、哺乳類としての「ヒト」の身体の正しい使い方を実体験を通して気づかさせてもらっています。

私たちは生命を維持していくには「天の気」として呼吸により酸素を取り入れ、二酸化炭素と水を排出しています。「地の気」として海や大地に育つ食べものをいただいています。この両輪なくして生きることはできません。顔の中心には鼻と口があります。鼻と口は外なる環境から生きるためのエネルギーを取り入れる要です。食養では「地の気」の取り入れ方を食性に基づいて食することを基本として、胃腸の弱りは「万病をつくる」とし、手当食にも、梅干しや粥、葛湯など、胃腸を調える療法が多くあり、それに力を注いできました。しかし、「天の気」の呼吸については認識が薄く、具体性に欠けていたように思います。

私たちは呼吸で1日に出し入れする空気の量は1万リットル、重さにして約15 といわれています。人類以外の哺乳動物は鼻咽腔の構造上、口で呼吸することはできません。口は呼吸器ではなく、食べものの通り道ですが、人類は言葉をしゃべることによって、必然的に口呼吸することをせざるを得ない肉体的構造で、鼻だけでなく補助的には口呼吸もできます。しかし、無意識な習慣性の口呼吸には問題があります。

空気中にはホコリやウィルス、細菌、カビ、化学物質、排気ガスなどが含まれています。鼻呼吸は人体を守るために、鼻粘膜にある細かな絨毛が粘液を分泌し、外界から入ってくる異物を排除し浄化してくれます。また、乾いた空気や乾燥した空気には加湿や適温にして免疫機能を正常に働かせてくれます。 ところが、口呼吸ではその防御をしないまま肺に取り込んでしまいます。そして、口で呼吸していると唾液や鼻水が涸れてしまい、ばい菌の防御力が損なわれてさまざまな障害を引き起こします。疲労感やアトピー性皮膚炎、慢性カゼ症状、いびき、無呼吸症候群、慢性扁桃腺炎、蓄膿症、花粉症、鼻炎、気管支ぜんそく、虫歯、中耳炎、歯周病など、まさに私は子どもの頃からこれらの症状を繰り返して持っていました。アレルギー症状をもつ人は私のように口呼吸の人が多いように思われます。アレルギーマーチを防ぎ、免疫力を強化するためにも、鼻と口の役割を認識し、正しい「呼吸」と「食べもの」、生命を健康に支えるにはこの2本柱を正しく使い生かすことが大切であることを改めて強く感じるこの頃です。この土台にあるのは授乳期からの母乳哺育など、生命の原点から見つめ直す必要がありそうです。

2012年発行 いんやん倶楽部通信より

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